色褪せないインテリア
フェラガモやヴェルサーチといった有名人から、上流階級の若夫婦など10人のイタリア人のインテリアが紹介されています。紹介されている写真はどれも、ため息がでるような贅沢さと華やかさ。でも何よりも私が心惹かれたのは、帯にある光野氏のこの一言「あなたのインテリアはファッションと合っていますか」。
日本人がインテリアという場合、光野氏が語るようにそれは多くの場合「インテリア=家具」という発想からである。でもそうではないのだ。素敵な家具をそろえても調和がなくては、インテリアは完成しない。光野氏がイタリア人を取材するうちに確信したのは、インテリアはその家に住む人の人格であり、息づかいを示しているということ。そして写真をめくるたび、光野氏が繰り返し語るように、イタリア人のインテリアへ費やす熱意や愛情・時間というものを実感せずにはいられない。それはすなわち、自分たちの生活を大事にしようとする気持ちの表れなのだ、と。
かくいう評者も、最近の日本のインテリア雑誌や本にはかなり食傷気味。多くの場合そこでは有名な北欧の椅子や照明があること、イタリアの高級なソファがあることばかりが強調されていて。その家族や住んでいる人の「顔」が見えない。モデルハウスのように物が片付けられ整然とした家は多いが、そこでは過度に装飾をそぎ落とされた空間ばかりで、家に住む人間がどのように生きたいのか、という空気が全く感じられない。
それにしても10年前の初版なのに、文章といい写真といい全く古さを感じさせない。古本屋ではタダ同然で取引されているみたいですが、インテリアとは何かを考えるには格好の書籍です。
写真が素敵なインテリア本!
光野さんがイタリアで取材をしたマダムたちのインテリア、暮らしぶりはもうため息の連続。素敵な人たちのセンスは日々の暮らしの中で培われているんだなってつくづく実感します。エッセイになっていますが、インテリア本のように写真がとっても素敵です。
足元のしっかりした生活
バブル景気も遠くなった昨今では、本書に掲載されているインテリアの写真を眺めただけで「無理だわー」と閉じてしまいそうである。癒しが求められる不景気時代のインテリアには一見そぐわなそうな写真のオンパレードである。しかし本書に掲載されているインテリアは、本当は景気・不景気、流行に左右されないインテリアなのである。そう、足元のしっかりした生活を育むインテリアなのである。 浮ついた気分にならず、投げやりな気分にならず、日々の生活を送るために、時々本書をめくりたくなります。
婦人画報社
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